投石に揺らぐ

何もかもうまくいかない耳を覆うヘッドフォンから彼らが囁くそうだよなと呟いた一言で現実を突きつけられる足元の石を蹴れば意図しない方向に転ぶ自然の摂理には抗えないって分かっている諦めているから受け入れられる力でもどうにもでき…

もしかして、恋

秋雨の降る朝に君と出逢った誰もが眠っている時間に僕だけが眠れずに徘徊して時間を潰している日々けれどいつもはけたたましい世界も静かで愛おしい時間何かがいつもとは違う気がしたんだ

酸欠する夜

風が窓を打ち鳴らす夜早打ちの鼓動に息を切らす四方八方が塞がれた感覚に視界が狭まるばかり寝台灯の橙色に染まりながらベッドの上で反省会全ての苦悩も嫌悪も後悔も自分の気の持ちようだと人は言うけど舵取りすらままならいない荒だった…

さよなら、夏

君が立ち去って雨風が強くなる 気分もめっきり落ち込んで一緒にいたことばかりを思い出す 包み隠さない容赦がない態度も 時に核心を射るような眼差しも それなのに目が醒めるような緑の木々を風に揺らし 決して離れようとしない情熱…

次世代逃亡

次の時代を担うのは君たちだ。親と同じくらいの年の奴に、息を吐くように、当たり前のように言われた。放置し過ぎた炭酸水のような気の抜けた声で、「そうですね」と答えたけれど、愛想笑いの顔には内から滲み出る不快感が隠せなっただろ…

波打ち際の回転木馬

まるで頭の蓋が空いてしまってたよう次から次へと襲いかかる現実がぐるぐると奥の奥へと引き摺り回し僕を押しやって思考を鈍らす口は息をする代わりに本心ではない他人の言葉を紡ぎ始めるそれが身体中の血管を巡って僕がぼくで無くなる感…

無傷を装い踊れ

この身体の至る所に点在する古傷 瘡蓋後で薄っすら色付いたそれが 目に留まる度に抉るから年々濃くなっている 思い出したくないくせに自分から進んで掻き毟る その古傷の原因と決着はついているだろう タイプカプセルじゃないんだか…

熱処理加工された聖者

一段と厳しい夏の陽射しに焦がされる日々 肌に痛い熱を感じる度に この身体に染みついた原罪が許された気になる 内側で燻る怒りも悲しみも浄化し ありのままの世界と対峙した時 ちっぽけだからこそ愛おしい子羊たちを俯瞰する そう…

上昇と下降

登っているか降りているかわからない だだ後ろから急かすあれやこれやのせいで 同じところぐるぐる回っている 無駄に歳を重ね肉だけが勝手に成長するくせに なんでこうも思考は成長しない 苦悩も不幸もまだ足りないのか 自傷行為の…